![]() 1961年、東京生まれ。大学在学中、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読み、突如として商人を志す。 大学卒業後、大手コンビニエンスストアの店長を10年間つとめた後、「本をすすめる本屋をやろう」と一大決心し、周りの猛反対を押し切り、1994年に書店「読書のすすめ」を東京都江戸川区・篠崎にて開業。立地の悪さを顔晴るバネにし、汗と智恵を出しきって商いを続けた結果、全国からお客さまが押し寄せる大繁盛書店となる。「読書のすすめ」の売れ筋本から、全国でのベストセラー本が生まれる現象が続出、出版流通業界内で熱い注目を浴び続けている。2003年にはNPO法人「読書普及協会」を設立。本との出逢い、人との出逢い、出来事との出逢いを提供しながら「良質な御縁から生まれる成幸の法則」についての講演活動を続けている。著書に『斎藤一人のツキを呼ぶ言葉』(東洋経済新報社)、『本調子』(斎藤一人・七田眞・本田健・ハイブロー武蔵・望月俊孝との共著 総合法令出版)、『福の神がやってくる!大向上札』(現代書林)などがある。 >> 公式サイト「NPO法人 読書普及協会」 >> 「読書のすすめ」 コンビニエンスストアの店長を10年間務めたのち、大学の先輩が建てたテナントに先輩からの一言で入ることになり、「本が好きだ」という理由だけで書店を開店。現在、NPO法人読書普及協会理事長として読書の楽しさ、奥深さを知ってもらう為、日々全国を飛び回っている。出張販売で書籍を売る姿を見た人は必ずといっていいほど本を買ってしまう現象があっちこっちで起きている。 |
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■ 本屋を始めたきっかけは? きっかけは特になかったんです。先輩が持っていた某大手コンビニエンスストアで10年働いていたんです。 何を仕事にするかといった時に、某大手コンビニエンスストアをやっていたのでコンビニだろうという風に周りから言われたんですが、なんとなく嫌だったんです。 やっぱり何をやろうかな~? と考えた時に、絶対これからは本物の時代だって思い本屋に行ったら、船井会長の"本物の......"という本があったんです。船井会長の本を読むとその中で他の本が紹介してあって、だんだんもっと興味を持つようになり始め、色々な本を買いに行っていたのですが、本屋がつまらなくて......。全然エキサイティングじゃないんですよ。だったら俺がやろうかなと思って本屋をやり始めて、最初のうちは小さいスペースでやっていたんだけど、そのスペースがだんだんと増えていっちゃって......。 本屋を始めた当初は売れ筋の本が入ってこないんですよ。出版社が本屋への配分を決めるのですが、どうしても大きい書店から配分されてしまうので、世間で売れている新刊の商品が入ってこないんです。最初はそれで悩んだのですが......ナント! たまたま幼馴染に新刊の担当がいたんですよ。ついてるでしょ!? ちょっと回してくんない? ってお願いして分けてもらって。 でも、実際に新刊を並べたところで、そんな売れなかったんですよ。最高に流行っている本でも売れても5冊とか。それじゃつまらないなーと思ってお客様に本を薦めていたら、薦めている方が売れるじゃないですか。そのうち斉藤一人さんが来て、本をお勧めすると2千冊とか売れるようになったり。船井オープンワールドで石黒さんに「あんな本屋じゃつまらないので、俺にやらせてよ」って言って、やらせてもらったり。そうして今に至ってますね。 ■ 本を販売する際にはお客様との会話を重視していますか? ポップを派手にするようになったのは斉藤一人さんの影響ですよね。「斉藤一人のツキを呼ぶ言葉」に書いてあるんですけど、汚いポップが人を呼ぶんだっていう事で。 新刊は一日平均250冊出てるっていうじゃないですか、それを聞いた時にこれはどんな大きいお店でも全部カバーしきれないなと思ったんです。 最初の頃はお客様がTVで宣伝している本を求めてくるので、無いという事が悔しくて幼馴染の所に行って毎回仕入れたりしていたんですけど、よく考えたら、一日250種類ですので、すべてカバーするのは到底出来ない。だからイイヤ! と思って「すみません、置いてないんですよ」という風に段々お客様と喋るうちに馴染みのお客様が1人増え、2人増えで、昔はUFO研究会とかEM研究会とかお客様と作ったりしていたんです。 その頃船井会長が薦めていた加速学園とか超能力を鍛える本を読んでいました。船井会長の本の影響でEM研究会を作るうちに、それが飲み会になって、最終的には読書普及協会になっていったんです(笑) お店が口コミで紹介されるようになって、そういう人達が多くなっていって......。 自分の好きなジャンルの本ばかりを並べていいですねってよく言われるんです。でもそれはお客様が次に欲しそうな本だとか、求めそうな本を並べていったら今に至った訳で。一回来店した人がカゴ一杯買えば口コミになるじゃないですか。それだと思いますけどね。 ■ 読書普及協会を始めたきっかけは? 最初は飲み会をやっていたんです。そのうち高校生が来るようになって、飲み会じゃまずいからどうする? となった時に、ちゃんと講演会のようなものを開こうという事になったんです。 でもありきたりな講演会のようにプロフェッショナルを呼ぶのではなく、"君が話せよ"って事で、その第一号が諏訪ゆう子/笑顔セラピストです。彼女はそのままプロになりましたけどね。 そういう講演会をやっていったんです。そのうち、皆で山登りとか、寺田屋会議であれやろう! とかになって、そのうち大阪からうちの本を買う人が出るようになって......。 そうそう、HPを作るようになって、最初に買ってくれたのが、現在読書普及協会の理事をしている畑さんだったんです。 そんな所から始めたものが現在は1500を超える会員になっちゃうなんて、すごいですよね。
■ どんな方が何を目的として集まるのですか? 私が自己啓発や歴史物などをお薦めしているのは、それを読んだ人達が皆すごく変わっていくのを目の当たりにしているからなんです。明るくなったり、いつも悩んでる人が悩みが無くなったり、暗い過去を持っているとか(親からの虐待や、親の自殺など)、そんな人がどんどん変わっていくんですよ。 よく言われるけど、人生のマイナスの幅が大きい人ほど、プラスに転じるとその分"グーッ"っと大きく変わるんです。そうやって変わっていく人がどんどん増えるんですよ。私もどうかと思いますけどね、お客さんをどなったりしてるので(笑)
船井会長のフォーラムに出店していたお陰で、精神世界が好きな方が来るんですけど、前世がどうだとか、悩みがある方もいるので、そういう方はどんどん変わっていきますね。やっぱり今が大切なんだと気付きますね。だから、うちに来る人たちはみんな魅力的ですよ。みんな人生の傍観者じゃないですもんね。 読書普及協会のキャッチフレーズにもなっていますが、本の出会いと人の出会いが人を成長させるんです。そういう事ってありますよね。本を読んで"クワーッ"って思ったりとか。ありませんか?そういう本に当たる確立がウチには多いんだと思います。 ■ 評判を聞きつけて、本を買いに来るだけじゃなく、清水さんに合いに来る方もいらっしゃいますか? そうですね。最近スター扱いもあるので、照れますよね。写真とって下さいだとか、サイン下さいだとか。(笑)最近は親分って呼ぶ人もいます(苦笑)
■ 現代はTVで放送されるニュースを見ても、暮らしていても、生きる(生活する)ことに精一で夢を現実にしようと思うと"収入"と"夢"とを天秤にかけてしまい、どうしても夢に重きをかけれないような気がしますが......? それこそが最近の私の講演テーマで、3年ぐらい経てば本当に江戸時代になるんじゃないかと思っているんです。 勝ち組、負け組みとか格差社会だとかこのままじゃこれからもっとどんどん酷くなるじゃないですか。それって良く考えたら外国の資本が入ってきたとかそういう事じゃない。だったら知り合いのコミュニティーだけで仕事や商売を回せば、その人数が1万~5万ぐらいあれば経済は成り立っちゃうと思うんです。だから、勝ち組、負け組みのルールから外れて考えていこうと伝えているんです。テレビやマスコミだけ見ていたら、思考が完全に毒されていますよ一日中。 例えば、うちの駅の近くに大きな本屋が出来たんです。その近所に本屋が2店あるんですけど、普通ならその2店はどうしよう! という話になりますよね。でも、うちはそのルールの中でやっていないので、大型の書店が出来たってなんともないのです。これっていい例でしょ? そこから解かれられれば両立できますよ。 喫茶店はこうじゃなきゃいけないだとか、コンサルタント業はこうじゃなきゃいけないとか、今までのルールから外れられればいくらでもやっていけると思いますよ。 よく昔言っていたんだけど、斉藤一人さんが商売で一番になるのは簡単だ。何でもいいから一番になるものを置けばいいと。極端ですが、一年中クリスマスをやれば流行るって言うんですよ。 勝ち組、負け組みのルールにのっていないじゃないですか。分かりづらいかもしれないですけど、よく考えたら分かりますよ。 今はノウハウ本なんか読んでいたら余計に勝ち組、負け組みのルールから逃れられなくなりますよ。お店はこうしなければならないとか、こうしたら儲かるとか、そんな訳絶対にないですから。 例えばね、今度学研から本を出してって言われているのが「儲けたかったら一等地で商売するな」というような内容の本なんですが、出店の時に駅前だとか立地を考えるのが通常だと思われているんだけれども、立地を考えると勝ち組、負け組みのそういったスーパー同士の競争にのめり込まれて値段を安くするか、従業員の給料を安くするかという事になっていく訳ですから、皆働いている人がつまらなそうじゃないですか。 そんなのが、本当に先進国になりつつある日本の中で継続するわけがないんです。今は日本人として本当に先進国になる時が来たんだと思うんです。 今まではまだ発展途上国のようなものでアメリカに守られていて、それが本当の意味で先進国になってきた時に、"一人一人の豊かさ"って言ってるけど、勝ち組、負け組みのルールの中でやっていればまだまだ一生つまらない仕事をする事になりますよ。そんなのは長く続かないですよ。 そっから逃れられれば、本当に先進国になれるし、一人一人が豊に暮らせると思うんですけどね。
■ そういった意味では、江戸時代は勝ち組、負け組みの判断基準じゃなかった訳ですね? 中にはそういう判断をしていた人もいるかもしれないけど、江戸時代はそんなに情報化社会じゃないから、近所で商売を回していたわけでしょ? 僕らの小さい時も買い物は全部近所の肉屋さん、魚屋さんだったじゃないですか。近所に畳屋さん、大工屋さん、電気屋さん、だいたい全部あって近所で回していたんですよ。世の中大金持ちになろうと思ったら、株や投資とかそんなのしかないじゃないですか。それをやっている人はそれでいいんですけど、本当の先進国じゃないなと......思いません? 最近びっくりしたのが、2~3ヶ月前の特集番組で安いお弁当屋を取材していて、安いお肉を仕入れるんだけど、それを加工する専用機械があって、ガッチャンガッチャンって針をさして液体を注入してしばらく経つと高級肉と同じぐらいの厚さになって、焼くと同じように肉汁が出るんですよ。 工場の従業員に、「この肉を自分や家族に食べさせたいと思いますか?」という質問をしたら、「こんなの食べたくないし、食べさせるわけないじゃない。」っていうのを売っているという内容だったんです。 それだけじゃなく、もっとびっくりしたのが、こんなに素晴らしい製品が出ました! 「安い肉がこんなに上等な肉になります!」って同じ機械が別の番組で紹介されていたんです。2~3ヶ月前には"こんなもの"って言っていたのに、今では"こんな素晴らしいもの"になってるんですよ。おかしいでしょ? 物価が高くなって、穀物が高くなったので、"こんなもの"が"こんなに素晴らしいもの"になったんですよ。マインドコントロールっていうか......。 例えば、知り合いだったら値段なんてあんまり考えないじゃないですか。売る方だって自分の生活が出来るような定価で売って、お客様を騙す事もなく、お客様はそれを信用して買うような。 近所にガソリンスタンドがあるんですけど、一流のガソリンスタンドなのにすごく汚いんですよ。屋根もなく。おじいちゃんが経営していて、雇われているのもおじいちゃんなんです。 そこに行くと、タバコの吸殻を変える時に吸いすぎだって怒ってくれたり、私の車が店の駐車場で故障したりすると、今まで何度も軽トラックでチョロっと来てくれてチョンチョンと治してくれて、「御代は?」って聞くと「いつも来てくれてるからいいよ」って言ってくれて。 きっとそういう事を皆にやっていると思うんですよ。だからガソリンが高騰しても全然大騒ぎしなかったし、私も普通にそこに入れに行っていましたからね。 だから、そういったコミュニティーを築いていれば十分回るし、それが本当の先進国の生きかたなんじゃないかな? と思います。 読書普及教会が運営しているSNSコミュニティ"Doxi"の中に人情横丁っていうのがあって、閉じられた知り合いの中でしか通販しないというサイトがあるんですけど、そういう思いから作ったんです。 読書普及協会はイベントでそれぞれが顔を合わせてその人を知る機会があるので、だから「じゃぁこの人から買おうか」となるんですよね。この人数が10万人ぐらいに増えてくるんじゃないかなと思うんですけどね。 だから人数が増えたら人情横丁はこれからの社会に影響を与えられるんじゃないかと思います。交通ってもっと便利になるじゃないですか。そうしたら日本全国をもっと気軽に動けるようになるしね。 だからね。ゼロから1っていうのは、大げさな事じゃなくて、個性で商売するという事。サービスなんてあまり良くないんですよ。 サービスで競争する時代じゃないのですから。これからはもっと皆楽しく給料がどうこうじゃなくて、やりたい事をやるという人に皆なりたいと思うだろし、呪縛からとかれられればなれると思いますよ。
■ 人が喜びを感じたり、悲しみを感じたりするっていうのは必ず対"人"ですよね? WEDGEにも書きましたが、"稼ぎ3割仕事7割"で、7割は誰かの悩みの相談にのってあげるとか、読書のすすめもずっとそんな事をやっているから、本はうちからしか買わないって人がいるわけですよね。それこそ豊かじゃないですか。 自分のプライベートの時間はどれくらいですかね? 私の場合は12時間ぐらいかな。仕事とプライベートを合わせて。その内の3割の4時間が仕事で、あと6割は飲んだり食べたり遊んだりですよ。別にお酒を呑みに行かなくても、煎餅を食べてビールを飲めばいいですし。そうすると豊かだよね~。 ■ 清水さんの中で仕事と夢の違いはありますか? 夢っていうのは無いんですけど、今年47歳になるので使命という方が強いですね。 若い子が来た時にこういう事を誰かが言い続けないと道にならないじゃないですか。これが合っているかどうかは分からないですけど、僕の頭の中では合ってるんです。だから誰かが言い続けないと、それを聞いた人がそうだなと思わないと道にならないじゃないですか。 夢っていうのはそんなに無いですよね。若いうちは夢があっていいと思うんですよ。でも40歳過ぎて夢って言ってるのもどうかな? と思うんですよ。 だから皆大人になっていかなきゃいけないと思うんですよね。歳とともにね。だから50歳ぐらいになったらちょっと若い人を叱るとかそれぐらいの大人にね。若いうちは夢に燃えていていいんですよ! 最近思うのが、"大人の粋"ですね。若い子にある事を教えたい時に若いうちは「なんだよ、違うよ」って言い合うけど、それを分からせる事が目的だったら、もっと嘘ついたり、賺したり、押したり、引いたりというような粋な技が無いと大人って言えないと思うんですよね。 自分の信念に自信があるか? っていったらそうじゃないですよ。 でも「こうだよ!」って誰かが言い続けなければならないじゃないですか。船井会長が「本物の時代だ」って言い続けたから「ああそうかな」ってなるじゃないですか。それは本当に言い続けたからですよね。 ■ 本と人との出合いが人生を変えるとは昔の人も言っていたのですか? 漢字には意味がありますよね。 本は"宇宙"という意味なんですね。本物とか本心とか"本"っていうのは宇宙の法則といういう意味があるんですね。 私が思っているのは、明治時代の学問のすすめという本を福沢諭吉が出して、それが大ベストセラーになって、それまで人を斬りあっていた「お前が悪い」「何が悪い」って言っていた子たちが福沢諭吉に感化されて大学に行き、全国に散らばって「俺は電気事業をやるんだ」「俺は遊園地を造るんだ」「俺は線路を引くんだ」「俺は不動産をやるんだ」ってなっていったわけじゃないですか。そういうのをイメージしていますね。 それって1冊の本との出会いじゃないですか。学問のすすめがなかったらそんな事になっていないですよ。当時インターネットもテレビも無かった時に本がばら撒かれたじゃないですか。すごかったらしいですよ。インチキ本も多く出たらしいですよ。勝手に印刷して売る人が出たりね。
■ 人に会いに出向くという、「足運び」は多くされているんですか? していますね。若い頃は"竜馬が行く"を読んで感動して高知や京都に行ったりだとか。ただの観光旅行じゃなくて、それをやったからこそ知り合える人や分かる事があるわけですよね。 立花大敬さんという方の本に足運びという事が書いてあったんですけどね、すごい昔から言われていて、お伊勢参りとか、お百度参りだとかそいうのを全部足運びっていうんですって。日本人の成功法則って足運びだったらしいですよ。 心理学的にいうと、『目的=お伊勢さんに行く』があってそれに向かって一歩一歩進んでいくというその行動が脳に刺激を与えて目標達成につながっていくという思想が昔から日本にあったらしいです。だから昔の人は商売繁盛の為にお伊勢参りにいくとか、願掛けとかをしていたらしいです。 ■ 清水さんの人生で一番大きかった出会いは? 吉田シンサイ夫妻との出会いですね。 お茶の先生なんですけれども、私の妹が習いに行っていた所なんですけど、きっかけがすごいんですよ。私の母親が埼玉でバスに乗っていた時に着物を着たすごく素敵な女性が乗っていたんですって。この女性は何者だ? と思ったらしくて、その人が降りた停留所で一緒に降りて後をつけていったら、吉田シンサイ茶道教室っていう看板があるところに入っていったので、これは娘に習わせよう! という事で、それがきっかけで連れて行ったんです。 その後吉田先生とは色々なお付き合いがあり、私が中学3年生の時に先生宅に下宿する事になったんです。吉田先生は禅のお坊さんって感じですよ。大徳寺は利休の時代から在家に同じ位を与えるというしきたりがあって、それが吉田シンサイ先生なんですよ。禅茶ですよね。 先生のお宅に下宿するまで、日本とか歴史とか本では読んでも実際にイメージできなかったんです。でもそこに行くと、利休の茶筅とか、明治天皇の書だとか、東海道五十三次の葛飾北斎の下絵とか、もうお宝がいっぱいあって、来る人も全国から来るし。先生も京都の大徳寺というお茶のトップの所の献茶に行ったりだとか、目の前で全国レベルの事が起きるので私の中でイメージは広がりましたね。私があてがわれた部屋が四方本棚で、鈴木大拙とか、世界文学全集とかそんなのがいっぱいあって。それで変わりましたよね。
今でも覚えている出来事があるんですが、先生の家の周りは貧乏人ばっかりで、目の前に住んでいる個人タクシーの運転手が夜中酔っ払うと表に出てきて、「吉田テメー出て来い!、自分ばっかりいい生活いしやがって......」って騒ぐんですよ。 私は2階で受験勉強をしながら頭に来て表に出ようとしたら、先生が1階の暗い所でニヤニヤしながらそれを見ていて、私に「よしなさい。ほおっておきなさい。すりこぎ棒ってあるじゃないか。お皿の中にゴマを入れて炒るだろう。その時にゴマのようにパリパリ動いているのがあの人なんだ。でもお兄ちゃんはすりこぎ棒の天辺に立って物を見れるようにならなきゃいけない。ここは動かないだろ?」っていうんですよ。そういう事なんですよ。あの先生は自分で教える事はしないんですよ。何か事があった時にはそうやって説くんですよね。 ■ やはり人との出会いですね? 出会いですよ。出会う為には本を読んでいないと、波長が合わないんですよね。 最近、この人は本を読んでるなとか読んでないなとか顔を見たら分かるんです。だって勉強していない人って、威張ったりだとか、態度が横柄だったりだとかいるじゃないですか。そうすると好き嫌い以前に波長が合わないじゃないですか。そしたらやっぱりちょっとは本を読んで人には感謝しなきゃいけないだとか、笑顔が素敵だとかそんな事を知ってる人だったらピピッと波長が合いますね。 そういうのを上質な出会いって言ってるんですけども、反対に悪い同志の出会いもあるじゃないですか。そういった上質な出会いをしたかったら先に本との出会いがあって、それで人の出会いが変わっていって、それで後に自分が変わっていくんですよね。 ■ 本との出会いがその後の人生に影響を与えるという事が分かりました。書店で販売している本は出版社から持ち込まれるのですか? 持ち込まれるものもありますが、殆ど自分で探しますよ。こういう時代だからっていって探すのもあれば。 渋沢栄一って格好いいですよ! 私は名前と功績ぐらいは知ってるけど、細かい事は知らないじゃないですか。あの頃渋沢さんは幕府側の人だったんです。それでフランスかロシアに勉強しに行っていて、帰ってきたら明治維新が起こっていたんです。 海外で勉強してきた経験があるんだから、明治政府の仕事をするようにと言われたんですが、それを断ったんですよ。 なぜかというと、その時のイギリスやロシア、アメリカの商人たちはとんでもない人たちばっかりだったらしいんですね。その当時イギリスなんてアヘン戦争なんて平気でやるし、有名な話で、マカオという国がイギリスの植民地でココアが沢山とれるので需要があるから、これをきっかけに独立しようという事になり、イギリスもそれを許可したらしいんです。 その時にイギリスは全世界のココアを密かに買い占めて倉庫にしまっておき、いざマカオが独立したら、それを全世界に安い値段で売ったらしいです。それでマカオは今も苦しんでいるんですよ。 そういう事を渋沢栄一は見ていたから、日本が文明開化をするのはいいけれども、彼らのような日本の商人になるなんてとんでもない事だ。おれは実業の道に行く! という事で、「論語と算盤」という本を出した訳ですよ。 日本の商人は論語と算盤を勉強しろって。あれが無かったら、今のアメリカみたいに、いいよいいよで格差社会で金持ちにやられていたわけですよ。だから渋沢栄一の論語と算盤という本がでたから道徳感をもつ人が出始めて。 今の世の中、偽装などで崩れているじゃないですか、だからこそ今は「論語と算盤」だって思うんです。そういった感じで本を探していくんですけどね。
■ 普段大切にしている言葉や思いや考え方などはありますか? "心を強く"かな。 本当に今の世の中って、勝ち組、負け組みの論理で言われると、スッっと人間って皆と一緒の方が安心だって思っちゃう事があって、負けそうになるんですよ。思いません? そんなのね、勝手に決められた事なんだからのっかっちゃ駄目なんですよ。逆にのっかってない人の方がお洒落だったりするもん。だからそんなの全然関係ないんですよね。 個性の時代って言われ始めてすごく経つんだけど、やっぱり勝ち組、負け組みの勢いが強いからなかなかそうならないんだと思うんですけど、でも、兆しは出ているんだと思うんですよ。 出路さんとか、西田先生の所に集まる方ってみんな個性的じゃないですか。だから別に他と比較しないから、特に怖い事もないんじゃないですか?
■ 若者達にメッセージをお願いします。 「群れをくむな!」ですね。 群れを組まない人同士の集団が絶対強いんですよ。そうじゃなきゃ、誰かがやってくれるだろうという擦り付け合いだったり、こんな事言ったら駄目かもしれないとか。群れを作らないでお互い背中を押し合える集団が一番強いと思います。 最近ね、講演で喋るんですけど、"免菌"って聞いた事あります? 今世界中の科学者の研究材料になっている細菌と動物の間の生き物で、菌なんだけど、ある条件を与えると普通の菌のように繁殖していくけど、ある程度数が増えて増殖が止まると意志を持ち出すんだって。 細胞一個一個に脳はないんだよ。人工的に作った迷路の入口と出口にえさを置くとドンドン増えていって増殖が止まり、そうすると迷路を解いちゃうんですって。この菌を色々な所で使いながら研究してるんですって。 一番最先端で研究しているのが、コンピューターの世界で、今までコンピューターは人間の脳に近づけようと思って作ってきたんだけど、無理だろうと限界がみえてきらしく(感情とか直感とか)、だからどうしたらいいのか? っていう事で免菌を研究していて、一個一個には脳がないのにどうして解くんだ? って。 コンピューターの世界もゼロ・イチじゃないですか。 それでね、小さいロボットを作るんですよ。それに出っ張りをつけて、5個ぐらい紐で結びつけると、少しずつだけど前に進むんですって。1個1個には前に進むという動きはないんですよ。 免菌のシュミレーションで1000個繋げたらどうなるんだ? という事で繋げたら、1000個全部くっついたまま障害物も乗り越えて解いていっちゃうんですよ。その内に実験したのが、1000個のうちの半分のスイッチを切ったらどうなるか? と実験した所、その動かないロボットも連れて迷路を解いちゃうんですよ。すごくないですか? だから集団も(読書普及協会もそうですが)ある程度人数がこうやって増えて、一生懸命本の出会いだとか人との出会いが大切と思える人がDoxiという紐で結ばれていれば、あとは幽霊会員がいたって、会員になってない人がいたって増えていくんですよ。 これが神の手だと思うんです。だって世の中なんとなく上手くいっちゃうとかあるじゃないですか。これが神の手だと思うんですよね。だから若い人達には"頼らない集団"でも信頼し合って結ばれていなければならないんですけど、そういう個を強くしてほしいですよね。今はそういう時代ですよね。 これからどんどん世の中はどんどん変わっていきますよ......
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