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「人間の可能性は無限、出会いは宝物」
吉本の芸人時代、はじめて映画製作の現場を見た時に、「なんじゃこれは?」と思うくらい現場の人たちがみんなキラキラ輝いていて、その格好よさに強く惹かれたんです。自分も「この人らみたいになりたい!」と思ったのが映画の世界に入ったきっかけです。
はじめは役者から入りましたが、そのうち自分から「メッセージを発信したい」という思いが強くなって、映画制作の夢を持つようになりました。いざ映画制作を志し、資金を集めようとすると、うまくいかないことだらけでした。表参道の路上に座って言葉を書き始めたときも、何千人何万人という人たちが目の前を通り過ぎ、無視され続け、「自分の存在価値がゼロだ」と思うような時期もありました。
でも、仲間が現われ、「こういう紙を使った方がいい」「あの場所に座った方がいい」とかいろんな人がアドバイスをくれたお陰で、本を出版し、百貨店で個展を開くことができ、映画の資金6000万円を集めることができました。その時に、「ホントに人間の可能性は無限なんだ」「出会いは宝物なんだ」と気づいたんです。
だから、映画「107+1〜天国はつくるもの〜」は、「人間の可能性は無限」「出会いは宝物」というメッセージを伝えたくて、「自分は誰のためにもなっていない」と思い込んでいる女の子や、自分の可能性に気づいていない若者たちを主役にして、彼らがたくさんの出会いによって夢を叶えていくというドキュメンタリー映画を撮りました。
ドキュメンタリー映画にしたのは、現実逃避のための映画ではなくて、この映画ができたことで現実が変わる、映画を見た人が動き出して現実を変えていく、そんな映画にしたかったからです。
「本当の幸せを感じた瞬間に、過去の出来事が感謝に変わる」
今でこそ、地球温暖化防止を呼びかけたり、カンボジアの子どもたちが学校に行けるようにサポートしているけれども、以前はボランティアだとかに全く興味がなかったんです。でも、映画「107+1〜天国はつくるもの〜」の撮影でアフガンに行った際、緑の豊かな国だったアフガンが地球温暖化の影響を受けて、雨が降らない国になってしまったことを知りました。
また、戦争の爪あとも残っていて、心の傷を負った人、笑えなくなってしまった子どもたちがたくさんいることも知りました。現状を目の当たりにしてから、環境問題や海外支援に取り組むようになったのです。
カンボジアの村では、汚染された川の水で生活しているため、たくさんの人たちが腸チフスで苦しんでいます。ある村で、井戸掘りのボランティアを行った際、僕は忘れられない体験をしました。井戸を掘って透明な水が出てきた瞬間、村の子どもたちからおじいちゃんまで本当に嬉しそうに「ウォー」という歓声を挙げて喜んでくれました。その喜んでいる姿を見て、僕は心の底から幸せを感じることができました。こんな幸せな体験ができたことがすごく嬉しくて、「本当に生きていてよかった」と思いました。
その瞬間に「すべての過去に感謝やな」という心の声が聞こえたのです。過去に何かひとつでも出来事が変わっていたら、出会いがなかったら、別れがなかったら、人生が狂っていたら、その場所にいなかったわけで、そう思ったら「なんや夜逃げしてくれてありがとう。お金貸したのに返してくれなくてありがとう。"好き"といったのにふってくれてありがとう。」と、これまでの怒り、悲しみ、憎しみ、恨みとかが全部溶けていったのです。
今まで「未来は変えられるけど、過去は変えられない」と思っていたけれど、本当の幸せを感じた瞬間に、「過去の出来事は変えられないけど、すべてが感謝に変わるんだ」ということを体験できたのです。
経済はみんながハッピーになるための一つの手段やはり、人間は自分だけが美味しいものを飲んだり、食べたりしていても、周りの人々が苦しんでいたら、本当の幸せを感じることはできません。みんなで飲んで、みんなで食べて「美味しいね。幸せだね。」となった時に、はじめて心の底から本当の幸せを感じることができると思うのです。だから、"奪い合い"ではなく、"分け合う"ことがすごく大事。経済というのは、豊かになった人が困っている人を助けて、みんながハッピーになるためにあると思うのです。
僕は物欲もなく、いい服やいいクルマだとかに興味がないので、今まで給料なんて「月30万円もあれば十分だ」と思っていました。でも、カンボジアで井戸掘りをした時、お金に対する考え方が変わりました。あの時、井戸掘りにかかった費用はわずか2万円足らずでした。だったら、僕が月32万円稼いでいれば、毎月、彼らのために井戸を掘ることができる。そう考えたときに、いかにこれまで僕が「自分のことしか考えていなかったか」に気づくとともに、「自分が稼げるのだったら稼げばいい。稼いでみんながハッピーになるためにお金を使おう。お金は使い方一つで"愛"になる。」そう考えるようになりました。
「『やってみましょう』が大切」
世界はGNP (Gross National Product=国民総生産)やGDP(Gross Domestic Product=国内総生産)を引き上げることを目標に置いているけれど、ブータンの国王は国家の目標としてGNH(Gross National Happiness〜国民総幸福)を追求すると内外に宣言しています。
経済優先ではなく「どれだけ幸せを感じているか」という指数を上げることを考える、僕はまさしくそういうことが大切だと思います。経済が豊かになったら、それで終わるのではなくて、そのお金を使って、もっともっと世界をハッピーに変えていく。"生きる"ということは、「めちゃくちゃ幸せ。この時間よ、続け〜」と思う時間をたくさん体験することだと思います。
また、「今を楽しみながら、しっかりと未来に希望を残す」ことがこの世に生まれてきた役割だと思うのです。一つゴミが落ちていたら、当たり前のように誰かがゴミを拾うような世の中にしたい。「川が汚いな」と思ったら、「汚いなぁ」で終わるのではなく、「どうしたらキレイになるだろう」と考えて、すぐに行動に移す人がたくさんいて、「自分だけではなくみんながハッピーになっていこう」とみんなが思うような世の中をつくっていきたい。
「しょうがない」を漢字で書くと「笑がない」。地球温暖化一つを取っても、みんなが「笑がない、、、」ってあきらめていたら、本当に笑いのない世の中になってしまいます。でも、「やってみま笑(しょう)!」と、笑って楽しみながら動いたら必ず笑いがあふれる世の中になると思うのです。




