
プロフィール
1959年10月生まれ。横浜市出身。82年明治大学卒業後、佐川急便のドライバーなどを経て84年創業。92年独自業態の居食屋『和民』を開発。2000年3月東証一部上場。小説『青年社長』(高杉良著)のモデルでもある。また個人サイト(http://www.watanabemiki.net/)を開設し、「夢に日付を」を有言実行しながら日々の想いを発信している。
「人に関わる事業」へのあくなきこだわり
100年企業を目指すワタミグループの代表取締役社長、渡邉美樹氏(47歳)はこう語る。「大切なのは、生きている間にどれだけの"ありがとう"を集められるか。私にとってのビジネスは"ありがとう"の争奪戦です。であるからこそ、最近流行のマネー・ゲームではなく、"ひと"に関わるビジネスにしか私は関心がないのです」。
外食産業を基盤にして、様々なジャンルで革新的なビジネスを展開するワタミグループだが、それを率いる渡邉社長の根底にあるのは"ありがとう"の声を一つでも多く集めたいというシンプルな想い、ただそれだけなのだ。ワタミが事業領域を着実に広げつつあるという指摘に対しても「私にあるのは"経営"という技術だけで、それを介護や学校、病院、NPO(特別非営利活動法人)等、ステージを違えて活用しているにすぎません」と屈託ない。
NPO法人『スクール・エイド・ジャパン』(SAJ)にかける思い
渡邉社長は経営の傍ら、NPO法人『スクール・エイド・ジャパン』(SAJ)を立ち上げた。教育支援の一環として、2001年のカンボジアに対する小学校の建設からその活動は幕を開け、現在は71校の校舎を建設し、着実にその活動の輪は広がっている。
「一生懸命生きること、その大切さをカンボジアの子供達から教えてもらいました。物もなく不便極まりない生活を、彼ら自身は不幸だと感じていません。十分な教育も医療サービスも受けられない中、カンボジアでは大家族が肩を寄せ合って暮らし、協力し合って必死に生きているのです。彼らのひたむきな姿に改めて「真の幸せとは何か」を考えさせられました。
一人ひとりの行動が世の中を変える
また、渡邉社長の「夢に日付を」はあまりにも有名だが、彼にも日付を入れられない夢が一つあるという。それは「引退後、地球上のみんなが学ぶたったひとつの教科書をつくる」という壮大な夢である。「日付がない夢とはいえ、このことはいつも頭の中にあります。まずはその第一歩として、絵本を出版する計画です」と彼らしい答えが返ってきた。
彼の夢とエネルギーの源とは何だろう。「世の中には『日本の教育はおかしい』『日本の政治はよくない』と嘆く人がいますが、私は彼らにこう問いかけるのです。『では、あなたは一体何をしているのですか?』。ただ考えるだけ、発言するだけでは何の意味もありません。実際、人のためにどれだけ行動できるか、それが人間の真の価値ではないでしょうか。私は自分を嫌いになりたくないからこそ、今の自分を目指しました。また、私には"働く"という感覚がありません。"働く"とは一つの表現の手段であり、社会と関わり、自分の足跡を残すための方法にすぎません。私にとって『なぜ働くか』は『なぜ生きるのか』に等しい問いなのです」。渡邉社長の労働観とは、すなわち人生観でもあるのだ。






























